マーク・ザッカーバーグ ~全世界20億人へと広がるオンラインサービスを創り出した成功者の20代~

今や全世界20億人以上が利用しているFacebook―
開発者であるマーク・ザッカーバーグは、Facebookから広告事業を中心に多岐にわたるビジネスを展開し、2017年の世界の長者番付によると既に保有資産額は710億ドル(約7兆5000億円)と、若くして大きな財を成しました。そのFacebookを開発したのも、ザッカーバーグが大学生の時だというから驚きです。
なぜこれだけのユーザー数や広告効果、影響力を誇るSNSをつくることができたのか?
ザッカーバーグの挑戦と生き様から、20代をいかにして生きるかを考えるヒントがきっと見つかるはずです。

マーク・ザッカーバーグの経歴

マーク・ザッカーバーグは、1984年5月14日、アメリカ合衆国ニューヨーク州ウェストチェスター郡ホワイト・プレインズで、歯科医の父親と精神科医の母親からなる家庭の第2子として生まれました。3人の女姉妹の中で男1人で育ったため、家族からは溺愛して育てられ、「プリンス」と呼ばれたほどでした。
ザッカーバーグの父親は新しいもの好きで、その街で一番に当時のコンピューターを買い付けました。まだコンピューターが普及していない80年代では、最新のハイテク機器でした。「コンピューターは世界を変える」、そう父から聞いていたザッカーバーグも、次第にその魅力に惹きつけられ、父親を超えるほどコンピューターを巧みに扱うように成長しました。12歳でコンピューターを本格的に習い始め、父親の勧めでついた家庭教師からは「私に教えられることはもう何もありません」と言われるほどに上達しました。この頃には、歯科医として開業した父親のために、ザッカーバーグはZucknetという受付ソフトを開発し、患者の診療を簡易化するほどでした。
ザッカーバーグが18歳のときには、Synapseというソフトを開発。ユーザーが聞く音楽の好みを、コンピューターが自動的に学習し、その好みに合わせて新たな曲を推薦してくれるソフトをつくりました。Microsoft社から約1億円の買収金額を提示されるほどに、画期的で斬新なものでした。
高校を卒業し、ザッカーバーグはハーバード大学へと進学しました。ある日、「成績トップの学生が、どの講義をとっているか分からないか?」という友人の相談から、あっという間にCoursematchというソフトを開発。ハーバード大学の学生がどの講義を履修しているのか、逆に講義を見ればどの学生が受講をしているのかを知ることができるというものです。リリース後、すぐに数百人が使い始め、それが人と人とを繋げていきました。「大切なのは人と人とのつながりなんだ。そしてコンピューターは世界を変える」、そう父親から教わっていたザッカーバーグにとって、まさにそのことを実感し、同時に確信へと変わる瞬間でした。

そして2004年2月4日、ついにFacebookを開発。当時 19歳です。
それからのザッカーバーグの20代は、挑戦と挫折、そして成功の数々でした。

マーク・ザッカーバーグの過ごした20代

ザッカーバーグの開発したFacebookは、ハーバード大学のみの利用で、リリース4日後には650人が加入、その翌日には950人、3週間後には6000人にまで増え、ついには他の大学からの問い合わせが殺到するまでになりました。コロンビア大学、スタンフォード大学など9つの大学での利用に拡大し、その躍進は爆発的でした。
 
しかし順調に見える陰で、苦悩や挫折もあったのです。
大学中退後、ザッカーバーグはFacebook社を設立し、一般にも公開しました。学生を中心に大きな影響を持つサービスへと成長していたがゆえに、ある大きな会社から巨額の金と引き換えにFacebookを買収したいというオファーが来たのです。
そのオファーに対してもザッカーバーグは、
「もっと多くの人たちを互いに繋げたい」
「お金のためではなく、人の役に立つサービスを追求したい」
と自身の信念とFacebookへの愛を曲げることなく、買収の話には乗りませんでした。
しかし、初期の経営メンバーはほぼ全員が、会社を売りたいと主張したのです。
「Facebookを通して実現したいゴールは共有できている」と信じていたザッカーバーグにとっては、胸をえぐられる思いでした。
会社は分裂し、人間関係はズタズタになり、最終的にはザッカーバーグ以外の経営陣全員が会社を去ることになりました。

価値ある事業をしている自負はあろうとも、孤独で最も大変な時期だったとザッカーバーグは振り返っています。
そのような逆境も乗り越え、ついにはFacebookを時価総額4332億5000万ドル(約48兆3800億円)を超える企業にまで発展させるのです。
批判や否定があろうと、人から裏切られようと、自分の大切にする信念を大切に、結果的により多くの協力者を巻き込んで、自分一人では決して実現できない成果・成功を収めたのでした。

マーク・ザッカーバーグ 3つの金言

Facebookの開発から法人化、そして全世界への展開と巨万の富を得るまでに費やした年月は、10年に満ちません。ほぼ全て、ザッカーバーグが20代のうちに成し遂げたことです。
偉大な成功の背景には、20代のザッカーバーグが意識し、取り組んできたことがあります。私たちが「20代をいかにして生きるべきか?」を知るヒントとして、ザッカーバーグの3つの言葉を紹介したいと思います。

Done is better than perfect.
(完璧を目指すよりも、まずは終わらせろ。)

なにかに挑戦するとき、新しいアイディアを考え着いたとき、完璧を目指してスタートが遅くなったことや、挑戦せず終えてしまったことはないでしょうか。
人は何か新しいことに挑戦したい、大きなことを実現したいという想いのある方で、「このままでいたい、変わりたくない」という安定・安心を好む性質も持ち合わせています。
不安、おそれ、面倒くささ、あきらめ、葛藤、限界感…
色々な言葉に替わって表現されますが、要は実行不全です。

「巧遅は拙速に如かず」という言葉の通り、ビジネスは特に、多少拙くとも着手・挑戦へのスピードが命です。20代の若いうちだからこそ、ともかく完璧ではなくともまず一歩踏み出してみる、その重要性をザッカーバーグは説いているのかもしれません。

Purpose is what creates true happiness.
(“使命”こそが本当の幸せをもたらすんだ。)

ザッカーバーグは、18歳のときに開発したSynapseというソフトが、Microsoft社から約1億円の買収金額を提示されようとも売ることはしませんでした。Facebook社の買収の話も同様に、断固としてオファーを受け入れることはなかったのです。その理由は一言、「人の役に立つために作ったソフトであって、金儲けのためじゃない」という回答でした。

ザッカーバーグの偉大な成功や幸せは、売上や利潤といった経営上の目標ではなく、そのサービスによって実現したい目的・使命に焦点を当て続けたからこそ、得られているものなのかもしれません。

The biggest risk you can take is not taking any risk.
(僕たちの取れる最大のリスクは、何のリスクも取らないことだ。)

ザッカーバーグが、「若者に伝えたいことは?」というインタビューに対して回答した言葉です。
成功者ほど、リスクは取るべきだと主張します。
ザッカーバーグ本人が、20代にとことん挑戦し、成功をおさめ、リスクへの憂い以上のリターンがあったからこそ生まれた言葉なのでしょう。

成功する人がリスクを取れるというわけではなく、すすんでリスクを取ってでも前進する中で、成長を得るからこそ結果的に成功するのでしょう。
リスクに対する捉え方や克服に、年齢も性別も生い立ちも関係ありません。
ザッカーバーグが若くして大成したように、積極的にリスクを取る選択を積み重ねられれば、人よりも圧倒的に早く成長や成功を収めることもできるはずです。
激動の時代を生き抜く上で、リスクをむしろ喜んで受け入れる度量こそ求められるのかもしれません。

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マーク・ザッカーバーグの軌跡と偉業は、これまでのITの歴史と人々の常識を変えました。
しかしその成功は、決して一瞬的に創りあげられたものではなく、小さな選択や日々のこだわりの積み重ねによって生まれたものであるはずです。

一度きりの人生で自らが実現したい目的を定め、積極的にリスクをとって挑戦する生き方の先に、きっと人や社会を動かす大きな力が備わるのではないでしょうか。

参考:
IT RUSH<http://it-rush.com/mark-zuckerberg-facebook-method-of-raising>、
マーク・ザッカーバーグ スピーチ ハーバード大学卒業式
https://www.youtube.com/watch?v=nFaCasVBvD8
【翻訳】マーク・ザッカーバーグ<https://www.youtube.com/watch?v=8eJej84XEIk

酒井友登
【アチーブメント株式会社 人事部 採用・育成チーム】関西学院大学卒業後、2016年度アチーブメント株式会社に新卒として入社。個人向けコンサルタントとして、200名を超える経営者やセールスパーソン、また医師や士業の目的・目標達成のサポートを行う。全社員のうち7名が表彰されるアチーブメントフィロソフィーアワードを2年目で受賞するなど、コンサルティング部の中で成果を挙げ、現在は人事部 採用・育成チームに所属し、主に自社の新卒採用を担っている。
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